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「上手医療かかり方」6部門受賞インタビュー

「上手な医療のかかり方」6部門受賞インタビュー

コンテンツ部門

公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院
地域医療連携室

《プロジェクト》

「みんなのくらちゅう ー共に考える地域医療ー」地域医療をまるごと、1冊にまとめました

山本 伸治様	角南 友美様	輿田 睦子様

地域医療連携室

山下 伸治

角南 友美

與田 睦子

受賞ポイント

冊子配布のみではなく、抜き刷りでポスター化や動画配信など活用範囲を広げている

データで現状・課題を示したうえで、求められるアクションを分かりやすく解説している
紙面でありながら問いを立て応えていく形式にまとめられており患者自身が考えるきっかけを与えている

地域医療連携を説いて11年

事業の概要と特徴を教えください。

 1冊丸ごと地域医療連携に関して紹介している冊子を制作しており、今年で11年目を迎えます。 編集、デザイン、発行までの全工程をスタッフ5名で行い、冊子だけでなく、ホームページでも公開しています。 当院は急性期病院なので、重症患者が運ばれても断ることがないよう、いざという時にはみんなが当院を利用できるように、という思いを込めてタイトルを「みんなのくらちゅう(倉敷中央病院)」と名付けました。そのために、市民の方に知っていただきたい内容が盛り込まれています。院内の他、院外の医療機関に配布したり、岡山県立図書館に寄贈しています。

みんなのくらちゅう11
みんなのくらちゅう11中面1
みんなのくらちゅう11中面2

まち全体が1つの医療グループ、その考えを多くの市民へ

取り組みを始めるに至ったきっかけ、経緯などをご紹介いただけますか?

 取り組みの背景として、当院だけでなく、まち全体を1つの医療グループとして捉え、お互いが連携して患者さんを診ていくという考えが根本としてあります。これを当院では「医療のエコシステム」と呼んでいます。 この「医療のエコシシテム」の概念をわかりやすく伝えることで、かかりつけ医を持つことの必要性や、病状に合った上手な医療のかかり方、他の病院に紹介される際の不安の解消といった様々な理解につなげていくことを目的として制作しています。

読者アンケートを毎号実施、反応を都度スタッフ間で共有

プロジェクトを0から企画されて実施されるのは、かなり大変だったのではないかと思うのですが、 苦労したところなどがあれば伺えますか?

 病院側から一方的な要望を投げかけたところで市民の方の心に響きませんので、自分事として捉えていただくためにどのような内容、表現がいいのかということが毎号、悩みどころです。アンケートは毎号行ない、読者の反応を把握してスタッフ間で共有し、次号の内容につなげるように工夫しています。また、取り組み当初は院内の理解を得るのが難しかったということもあります。1万部発行していますので相応の予算がついていることもあり、当初は内容的に地域医療に関する記事の比重が多く、もっと倉敷中央病院の宣伝を入れた方がいいのではないかといった意見もありました。最終的には当院のためになるのだということをご理解いただき、現在に至っています。

長年の取り組みはアワードの趣旨そのもの

「上手な医療のかかり方アワード」に応募されたきっかけは何だったのでしょうか?

 医療関係者からの口コミでアワードの情報を知り、自分たちが長年行ってきた取り組みと一致するということと、もし受賞できれば認知度が上がり、より多くの人に見てもらえるようになることで自分たちの励みにもなると思い、応募しました。

取り組みへの理解が深まり、メンバーの士気もアップ

第二回「上手な医療のかかり方アワード」で表彰されたことによりどんなポジティブな変化が起こり ましたか?

 まず応募するにあたりどのようにアピールすべきか院内の関係者にアドバイスをいただいたことで、改めて皆さんに関心を持っていただく機会となりました。さらに受賞したことでより取り組みに対する理解を得られることにもなりました。また、アワードのロゴマークを冊子に入れさせていただき、活用しているのですが、厚生労働省のお墨付きを得られたということでもあるので、取り組み自体への自信やメンバーのモチベーションアップにつながっています。

冊子の形態にこだわらず、時代に合わせた伝達手段で

今後の「上手な医療のかかり方」の取り組みに向けての抱負をお願いします。

 まだまだ「みんなのくらちゅう」を知らない方も多いので、映像やいろんな媒体を活用するなど、もっと多くの方に読んでいただける方法について考えていきたいと思っています。もともとは高齢者向けということで、紙媒体が伝わりやすいという判断から冊子の形態となっていますが、既に11年目を迎えて世代も変わっていること、また「みんなのくらちゅう」はあくまでも冊子のことではなくコンテンツですので、情報伝達の手段は今後に向けて検討しているところです。

冊子の形態に拘らず、時代に合わせた伝達手段で画像

自らの取り組みを客観視でき、他団体からの学びも得られる

「上手な医療のかかり方アワード」への応募を検討されている方に一言メッセージをお願いします。

 応募したことにより、自分たちの取り組みを客観的に見ることができましたし、モチベーションアップにもなりました。他の団体の取り組みなどもとても参考になる部分がありますので、ぜひ応募していただきたいと思います。

取り組みを客観視でき、他団体からの学びも得られる。画像