「上手な医療のかかり方」6部門受賞インタビュー
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自治体
部門青森県
自治体部門
青森県
《プロジェクト》
「今日から実践!上手な医療のかかり方」〜普及活動の展開〜
健康福祉部医療薬務課工藤 ユミ
受賞ポイント
県をあげて関係者との協力の下、上手な医療のかかり方に関する総合的な普及啓発活動を展開
リーフレットやホームページも工夫されている
「上手な医療のかかり方」の名称で、様々な媒体を活用したキャンペーン
本プロジェクトの趣旨と合致する
さまざまな媒体を使い全県域に情報を伝達
事業の概要と特徴を教えください。
青森県は、平均寿命が全国で最下位であることや、深刻な医師不足等の課題がある中で、県民の健康への意識の向上と地域医療体制の充実に重点的に取り組んでいます。今後は、これらの取り組みに加え、県民自らが医療の現状を理解し、医療に上手に関わることが重要です。そこで、「受診遅れによる病状悪化」といった本県特有の課題や、「大病院での長い待ち時間」「救急医療現場の疲弊」等の改善ということを念頭に置き、上手な医療のかかり方のポイントをまとめたリーフレット「保存版 上手な医療のかかり方BOOK」を作成、11月の「みんなで医療を考える月間」に合わせ県内全世帯および医療機関に配布しました。リーフレットを配布するだけでなく、このタイミングに合わせ、県内全市町村の広報紙にも可能な限り告知をしていただいたり、県のホームページやツイッター、病院内のサイネージでのPRや、地元のテレビ番組にクリニックの医師が出演し解説するなど、様々な媒体を活用して総合的に啓発を行いました。
このほかにも、上手な医療のかかり方の出前講座を実施しており、県職員が県民の皆さんに事業の説明を行っています。
県民の意識と満足度の乖離が起点
取り組みを始めるに至ったきっかけ、経緯などをご紹介いただけますか?
県の基本計画の策定に際し、平成30年度に県民の意識調査を行ったところ、最も関心が高かったのが「病気の際に適切な診療を受けられること」ということでした。それに対して現状の満足度は十分と言える結果ではなく、そこで、県としては、医療を取り巻く環境や制度を県民に理解してもらうことが必要であり、重点的に取り組むことになりました。
県民に必要な情報をできるだけわかりやすく
プロジェクトを0から企画されて実施されるのは、かなり大変だったのではないかと思うのですが、 苦労したところなどがあれば伺えますか?
リーフレットをつくる際、あまり文字が多くても読んでもらえなくなりそうですし、かといって正確な情報が伝わらなくては本末転倒ですので、どのような構成、ボリューム感が最適なのか検討し、なるべくページ数は少なくしつつ、イラストを用いながらフローチャートで必要な情報をわかりやすく伝えられるように配慮しました。その点が苦労したところです。
担当課として積極的にアワードに応募
「上手な医療のかかり方アワード」に応募されたきっかけは何だったのでしょうか?
厚生労働省のホームページでアワードの開催を知ったのがきっかけです。第一回上手な医療のかかり方アワード時は、予算の関係から、限られた取り組みとなりましたが、次年度からは本格的に取り組むこととしていたので、取組を広く知っていただくためにもアワードには積極的に応募していくことになりました。
県庁内外からの反響、職員のモチベーションもアップ
第二回「上手な医療のかかり方アワード」で表彰されたことによりどんなポジティブな変化が起こり ましたか?
地元の新聞に受賞の記事を掲載していただき、それを見た医療法人の方から、医療機関だけでなく系列施設にもリーフレットを配布したいとの依頼があったり、県庁内や外部からも配布したいとの声をいただくなど、取り組みに対する反響がありました。職員のモチベーションも上がり、さらに頑張ろうという気持ちになりました。
さらなる媒体活用でより多くの方に啓発を
今後の「上手な医療のかかり方」の取り組みに向けての抱負をお願いします。
今年度はポスターを3種類制作し、医療機関はもちろん、スーパーなどに掲示するほか、ラジオなどを活用してより多くの方への啓発を行っていきたいと考えています。また、出前講座などでも積極的にPRしていければと思っています。
皆で盛り上げていくことが大切、ぜひ応募を
「上手な医療のかかり方アワード」への応募を検討されている方に一言メッセージをお願いします。
この取り組みは皆で盛り上げていかないと、一人一人の当事者意識が湧きにくいところがあると思います。多くの団体がこの「上手な医療のかかり方」の取り組みを行っているということが伝われば、大切なことなのだと認識してもらえると思いますので、ぜひ応募して盛り上げていただけたらと思います。