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「上手医療かかり方」6部門受賞インタビュー

「上手な医療のかかり方」6部門受賞インタビュー

保険者部門

キヤノン健康保険組合

《プロジェクト》

コロナ禍における保健事業の実施〜被保険者と被扶養者への
「安心」「安全」の提供〜

筒井 久子様

キヤノン健康保険組合筒井 久子

受賞ポイント

不安解消のためのオンライン相談の実施、周知だけでなく、過度な受診控えが起こらないよう、工夫された情報発信を実施

医療機関への負荷の軽減にも貢献し、「上手な医療のかかり方」として非常にタイムリーで趣旨に合っている

コロナ禍での加入者の健康リスクを軽減

事業の概要と特徴を教えください。

 コロナ禍での健康リスクの高まりを受け、組合加入者の健康リスクを低減する取り組みを行いました。コロナ禍での加入者の不安や混乱の度合いは個々人で違うため、その受け皿として、本社の健康支援部門とも連携しながら、健康保険組合側で従来から用意していた「キヤノン・ヘルスコール」(加入者向けの相談サービス)をタイムリーに活用し、個々人の相談についてはヘルスコールでカウンセリングを行うという周知を、イントラネットやリーフレットで7万5千名の全被保険者に対して実施しました。

コロナ禍での加入者の健康リスクを軽減画像

また、春・秋の年2回行なっていたウォーキングイベントの「歩活」については、元々はチーム参加で対戦形式のリアルイベントだったのですが、コロナ禍により、そもそもチーム参加が困難になってしまいましたので、それまでの内容をリセットし、在宅テレワーク中に個々人が日常的に身体を動かすことの必要性を発信、啓発していくことに考え方をシフトしました。
これにより、自身の生活スタイルの変化に応じて参加していただいています。コロナ禍において生活習慣が変わったり、受診控えが起こったりしましたが、本社側の動きを確認しながら、健康保険組合側としてできるサポートは何かということを検討しつつ年間の取り組みをしてきました。

コロナ禍での加入者の健康リスクを軽減画像

事業主である会社側の健康支援部門と緊密に連携

取り組みを始めるに至ったきっかけ、経緯などをご紹介いただけますか?

 2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大があり、健康管理、健康増進以前に様々な不安や混乱がありましたが、その状況下で保険者としてまず重要なことは「正しい情報の提供」と「的確な方向性を示す」ことだと考えました。
この点については事業主であるキヤノン本社側で社員の健康管理を担う部門がイントラネット等でしっかりと通達されていたので静観し、健康保険組合の活動の役割として本社で社員の健康管理やコロナ対策を担当する部門とも緊密に連携、情報交換し、会社全体の動きも見据えながら、それをサポートする形で健康保険組合側として対応できる取り組みを行うことにしました。

既存の電話相談サービスをコロナ向けに活用

プロジェクトを0から企画されて実施されるのは、かなり大変だったのではないかと思うのですが、 苦労したところなどがあれば伺えますか?

 健康保険組合側ではなく、本社側の健康支援部門としての話になりますが、非常に困っていたこととして、1回目の緊急事態宣言の際には、急遽一部の事業所が休業せざるを得なくなり、社員の相談を受けたくとも、会社に出ていけない状況になってしまいました。
通常であれば10人体制の業務を2〜3人で決められた業務のみ行う体制に切り替わったのですが、そのような状況でも社員からは「発熱があるのだが…」といった電話が時折ありました。
当時は保健所の電話もなかなかつながりにくいこともあったため従業員からは24時間対応してくれるのかといった問い合わせを受けることもあり、対応に苦慮していたのですが、既存のヘルスコールをコロナ禍の状況に合わせてうまく活用、周知していくことで従業員が安心して相談できる体制を速やかにつくることができました。緊急事態の中で、安心材料となるサービスを提供できたことで、社員からも評価の言葉をいただくことがありました。

多くの人に医療制度への理解を深めてもらいたい

「上手な医療のかかり方アワード」に応募されたきっかけは何だったのでしょうか?

 アワードについては、健康保険組合連合会から届き知りました。健康保険組合が保健事業で実施している疾病予防を浸透させることが、少しでも病気を減らし、昨今の医療従事者の方々の負荷軽減にもつながると思っています。日本の素晴らしい国民皆保険制度を維持していくためにも一人ひとりの医療制度への理解と健康維持の努力が大切と考えており、その点を多くの方に理解してもらう意味もあり応募いたしました。

粛々と取り組んできたことが大きな自信に

第二回「上手な医療のかかり方アワード」で表彰されたことによりどんなポジティブな変化が起こり ましたか?

 社内の広報媒体に受賞報告が掲載されたこともあり、従業員の立場からすると「自社の健康保険組合が社会から認められる活動をしている」という認識につながったのではないかと思います。
健康保険組合はある種、空気のような存在でもありますが、元々あった制度や取り組みを時代の変化に合わせて提供できたことが外部評価されたことで、自社の健康支援活動に改めて関心を持っていただけるきっかけになりました。
また社外では、受賞したことを知った他の健康保険組合さんから「参考にしたいので情報をいただきたい」という問い合わせがあり、同業からの注目という点でもプラスになったと思います。
日々、粛々と取り組んでいることを報告するくらいの気持ちで応募したのですが、結果的に賞をいただくことができました。加入者からは普段、ダイレクトに反応をもらうこともないため、自分たちが粛々と取り組んできたことに間違いはなかったという安心感や大きな自信につながりました。

粛々と取り組んできたことが大きな自信に

日本の医療制度は皆で作り上げていくもの

今後の「上手な医療のかかり方」の取り組みに向けての抱負をお願いします。

 日本の医療制度は皆で作り上げていくものであり、その恩恵を受けているということを多くの人に理解して知ってほしいです。「上手な医療のかかり方アワード」もまさにそこにフォーカスしたアワードですが、今後もその点は意識しながら取り組んでいきたいと思います。

普段の業務の意義や役割を再認識できる良い機会

「上手な医療のかかり方アワード」への応募を検討されている方に一言メッセージをお願いします。

 アワードに応募することで、自分たちが普段やっている業務の意義や役割を自分でも再認識できますし、外部からも評価いただける良い機会ですので、日頃、自信を持って取り組んでいらっしゃる方であれば、プラスのフィードバックが得られると思いますので、ぜひ応募していただければと思います。